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ガソリンの最高価格・最低価格は?どうやって決まっている?

ガソリンの最高価格・最低価格
どうも、レタスです。

私たちの生活に欠かせない「ガソリン」。

車に乗らない人でも、モノを送ってもらったり、バスに乗ることで間接的に関りを持っています。

このガソリンの価格って、どうやって決まるのでしょうか。

一番の要因が「需要と供給のバランス」ということは間違いないと思うのですが、他にもいろいろと要因があるようでしたので調べてみました。

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ガソリン価格の基準は?

調べてみるとややこしい話だったので、先にガソリン代が導ける公式をご紹介します。

ガソリン価格=「原油価格」+「製油コスト」+「流通コスト」+「税金」+「α」

それぞれの項目を見ていきますね。

まず「原油価格」

日本は、ガソリンのもととなる「原油」をほぼ100%輸入に頼っており、産油国から日本へ輸出される際に「輸送運賃」「帯船料」「保険料」が加算されます。

この「原油」+「輸送運賃」+「帯船料」+「保険料」=「原油輸入CIF価格」といいます。

※CIF価格は「しふかかく」「しーあいえふかかく」と読みます。
※CIFは、Cost(価格)、Insurance(保険料)、Freight(運賃)の頭文字からきています。

この「原油輸入CIF価格」に、取引時の為替レートを用いて1バレル当たりの価格(日本円)が決まるという仕組みです。
※1バレルは約159リットルです。
  

次に「製油コスト」

原油のままでは、不純物が多いためガソリンとして使用することができません。
原油を製油する際にかかる費用のことを「製油コスト」といいます。
製油するには、大規模な装置で加熱蒸留するためコストがかかるのです。

ちなみに「原油輸入CIF価格」+「製油コスト」=「製油所出荷価格」といいます。
 

そして「流通コスト」です

製油された原油はガソリンとして製油所からガソリンスタンドなどへ運ばれます。
この時にかかる費用が「流通コスト」となります。
 

さらに「税金」です

原油には輸入する際に「石油石炭税」がかかります。
※2018年現在で原油1キロリットルあたり2,800円

そして私たちがガソリンを購入する際には「ガソリン税」がかかります。
※2018年現在でガソリン1リットルあたり53.8円

さらに「消費税」がかかります。
※2018年現在で購入金額に対して8%
 

最後に「α」となっている要素

これはスタンドのある場所「地域性」やスタンドの「経営方針」などです。

【地域制】
ガソリン価格を最終的に決定するのは、ガソリンスタンドに関わっている「人」ですので、競争が激しい地区では安くなりますし、高速のパーキングなど競争がない地区では高くなります。

【スタンドの経営方針】
薄利多売でドンドン回転を高めていこう!という考えなのか。
厚利少売でリピーターを増そう!という考え方なのか。
こういった経営方針も価格に影響を与えます。

【需要と供給のバランス】
需要と供給のバランスも価格に影響します。
今後もしガソリン車に乗る人が少なくなれば高くなるかもしれません。

こういった要素をまとめて「α」としています。

基本的には上記のような要素によって「ガソリン価格」が決定しています。
  
 

産油国・輸入国ランキング

ここでは「世界の産油国のランキング」と「日本の輸入先ランキング」を見ていきます。

まずは「世界の産油国のランキング(2017)」です。
※()内は産出量(千トン)

1位 アメリカ(571,035)
2位 サウジアラビア(561,716)
3位 ロシア(554,353)
4位 カナダ(236,330)
5位 イラン(234,192)
6位 イラク(221,497)
7位 中国(191,510)
8位 アラブ首長国連邦(176,319)
9位 クウェート(145,951)
10位 ブラジル(142,748)

 
続いて「日本の輸入先ランキング(2017)」です。
※通関統計に基づくデータ

1位 サウジアラビア(40.2%)
2位 UAE(24.2%)
3位 カタール(7.3%)
4位 クウェート(7.1%)
5位 ロシア(5.8%)
6位 イラン(5.5%)
7位 イラク(1.7%)
8位 メキシコ(1.4%)
9位 インドネシア(1.2%)
10位 オマーン(1.0%)

 
ちなみに原油の総輸入量は約1868億7270万リットルですので、日本の人口が1億2600万と考えた場合、1人当たり1年間に1,483リットルを使用していることになります。
 
 

ガソリンの最高・最低価格

右肩下がりグラフ
ガソリンの価格は1日おきに変動していますが、一番安かった時っていくらだったと思います?

1966年の「51.30円」が最低でした(総務省統計局データを参照)。

最近の高値の時と比べると3分の1くらいの価格ですね。

最高値は2008年「182円」です(総務省統計局データを参照)。

1999年に99円まで下がりますが、その後上昇を続け最近は130円~160円くらいの価格帯となりました。

ちなみに各年のガソリン価格(平均)は以下の通りです。

1966年:51.3円
1967年:53円
1968年:55円
1969年:53円
1970年:54.5円
1971年:57.3円
1972年:58円
1973年:66円
1974年:97円
1975年:112円
1976年:118円
1977年:121円
1978年:109円
1979年:125円
1980年:155円
1981年:157円
1982年:172円
1983年:158円
1984年:150円
1985年:146円
1986年:128円
1987年:126円
1988年:122円
1989年:125円
1990年:131円
1991年:132円
1992年:129円
1993年:128円
1994年:124円
1995年:114円
1996年:107円
1997年:107円
1998年:100円
1999年:99円
2000年:105円
2001年:108円
2002年:105円
2003年:107円
2004年:113円
2005年:125円
2006年:135円
2007年:139円
2008年:155円
2009年:120円
2010年:132円
2011年:144円
2012年:146円
2013年:153円
2014年:161円
2015年:135円
2016年:118円
2017年:132円

何故ガソリンは、こんなにも乱高下が激しいのでしょうか?

ガソリン価格が乱高下する要因を調べてみました。
 
 

ガソリン価格が乱高下する要因

円グラフ棒グラフ折れ線グラフ
 
ガソリンの価格が乱高下する要因は大きく分けると6つあります。

1.産油国の政情
世界最大の産油国であるサウジアラビアをはじめ、産油国は中東に集中しています。
このため中東でテロや政情不安定なことが起こると、原油価格・ガソリン価格が上がります。

2.為替の動向
日本は原油を輸入する際、ドルで取引するため為替の影響を受けます。
円高だと安くなりますが、円高だと価格が高騰する原因となります。

3.産油国による生産調整
需要と供給のバランスや市場の動向などを加味して、産油国24か国が協力して生産量を調整するルールを決めます。
これにより価格が乱高下することがあります。
例:過去にシェールガスに対抗して、生産量を増やしガソリン価格が安くなりました。

4.新興国の車(ガソリン)の需要拡大
インドやチリなどで車の需要が伸びることによる価格高騰。

5.石油に代わるエネルギーの台頭
今後石油(ガソリン)に代わる革新的なエネルギーが登場した場合、石油の価値は下がるでしょう。

6.EV車(電気自動車)のマーケット拡大
ドイツをはじめとした先進国は、進んでEV車へのシフトをバックアップしています。
長い目で見るとガソリンは必然的に安くならざる負えないでしょう。
 
 

スタンドが減少している理由

潰れたガソリンスタンド
 
ガソリンスタンドの数は年々減っています。

1998年に「56,444店」だったスタンド数が、2016年には「31,467店」まで減少しています。

ちなみにピークだったのは1996年の「60,421店」でした。

以下の表は、1996年と2016年を比較した県ごとのガソリンスタンドの店舗数です。

都道府県名 1996年 2016年 比較(%)
北海道 2,952 1,831 62.0%
青森県 959 564 58.8%
岩手県 974 521 53.5%
宮城県 1,243 645 51.9%
秋田県 786 471 59.9%
山形県 891 462 51.9%
福島県 1,419 847 59.7%
茨城県 2,114 1,151 54.4%
栃木県 1,394 706 50.6%
群馬県 1,391 687 49.4%
埼玉県 2,156 1,056 49.0%
千葉県 2,498 1,178 47.2%
東京都 2,765 1,098 39.7%
神奈川県 2,002 895 44.7%
新潟県 1,545 942 61.0%
山梨県 675 395 58.5%
長野県 1,511 885 58.6%
静岡県 2,077 1,045 50.3%
富山県 627 390 62.2%
石川県 691 353 51.1%
岐阜県 1,304 739 56.7%
愛知県 3,026 1,485 49.1%
三重県 1,113 616 55.3%
福井県 514 291 56.6%
滋賀県 640 328 51.3%
京都府 880 440 50.0%
大阪府 2,274 979 43.1%
兵庫県 1,859 1,037 55.8%
奈良県 570 276 48.4%
和歌山県 723 381 52.7%
鳥取県 410 234 57.1%
島根県 612 343 56.0%
岡山県 1,219 619 50.8%
広島県 1,459 757 51.9%
山口県 880 448 50.9%
徳島県 683 360 52.7%
香川県 671 362 53.9%
愛媛県 1,000 575 57.5%
高知県 647 362 56.0%
福岡県 1,983 996 50.2%
佐賀県 617 315 51.1%
長崎県 810 497 61.4%
熊本県 1,436 739 51.5%
大分県 835 486 58.2%
宮崎県 882 497 56.3%
鹿児島県 1,430 869 60.8%
沖縄県 468 344 73.5%
全体 59,615 31,467 52.8%

実感はあまりないかもしれませんが、都市部、地方に関係なく半分近く減っているのです。

しかし自動車(貨物車や2輪車などを含む)は1996年~2016年にかけて「約1080万台」も増えています。

【自動車の保有台数】
・1996年 約7010万台
・2016年 約8090万台
※貨物車や2輪車などを含む

「自動車の数が増えれば、ガソリンスタンドの数も増える」
という訳ではないのですね。
 
それでは、スタンドが減少しているのは何故でしょうか。

よくあげられるのが2011年に施工された消防法改正です。

これは「40年以上前に埋められたガソリンスタンドの地下貯蔵タンクの回収を義務付ける」というものでした。

この影響も少なからずあったはずですが、2011年以前からガソリンスタンドは現在とほぼ同じ割合で減り続けています。

それでは、何故ガソリンスタンドの数は減っているのでしょうか?

これは私見になるのですが、原因は以下の2点だと考えます。

1.車の燃費が改善された。
2.休日家で過ごすことが多くなった。

ひとつずつ説明します。

1.車の燃費が改善された。

これについては、以下のデータで証明できます。

1996年の平均燃費は「約12.5km/L」
2016年の平均燃費は「約21.5km/L」

20年間で車の燃費は172%もアップしていることになります。

燃費が良くなればガソリンスタンドに行く回数も減ります。
それによりガソリンスタンドは売上が下がり、業績不振に陥る可能性も高くなるという事です。

2.休日家で過ごすことが多くなった。

これについては「国土交通省」の以下のようなデータがあります。

2016年に外出した人の割合は平日で80.9%、休日で59.9%と過去最低の数値を記録しています。

そして20代の移動回数(※)が70代を下回っているという驚きの結果がでています。

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※移動回数とは「人がある目的をもってある地点からある地点へ移動した回数」

このことからガソリンスタンドの減少は、「車の燃費」と「外出の減少」が大きくかかわっていることが分かるかと思います。
 

管理人のひとりごと
 
これからはEV車(電気自動車)の時代と言われています。
 
そうなるとガソリンスタンドの減少にますます拍車がかかるでしょう。
 
今回の記事をまとめてみて思い浮かんだ言葉は「諸行無常」です。
 
世の中で変わらないものはないし、その変化に対応できるモノだけが生き残れるんだろうなぁと感じました。
 
固定電話・ブラウン管テレビ・ビデオテープ・カセットテープ・レコード・CD、さまざまなモノや技術が私たちの生きている「今」から姿を消していきました。
 
EV車の台頭により、ガソリンスタンドが珍しくなる日もそう遠くないのかもしれません。
 
最後までお読みいただきありがとうございました(o^-^o)

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