アウフヘーベンの使い方・わかりやすい例や弁証法も解説!
最近、アウフヘーベンという言葉をよく聞くようになりました。
しかし、その意味だけを知っている知識武装だけした人も同時に増えてきたような気がします。
そこでここでは、
学校では教えてくれない日常生活に役立つ「アウフヘーベン的考え方」を紹介します。
これを読み終わったら、あなたの考え方もきっと変わっていると思います。
ぜひ最後までお読みください。
「アウフヘーベン」とは、ヘーゲルが唱えた「弁証法」中に登場する言葉です。
※日本語に訳すと止揚(しよう)という言葉が当てられれます。
弁証法とは簡単に分かりやすく説明すると以下のようなものです。
ある「A」という意見があり、
それに反対する「B」という意見があったとします。
その2つ「A」「B」どちらかの意見を採用するのではなく、
2つの意見からもう1つ上の視点に「C」に到達することを「アウフヘーベン」と言います。
例えばこういったものです。
反対意見B:パンが食べたい。
↓
AとBからアウフヘーベンが起こる
↓
意見C:ハンバーガーを食べよう!
図にするとこういう感じです。
ということで「ハンバーガー」を食べるということが決まります。
そして弁証法が面白いのは意見Cに対しても、また反対意見が出てくるところです。
例えば
反対意見D:チーズが食べたい。
↓
CとDからアウフヘーベンが起こる
↓
意見E:チーズバーガーを食べよう!!
となります。
弁証法は螺旋状(らせんじょう)に続いていき、終わりがないのです。
だから楽しいし、可能性を秘めているし、今日まで活用され続けているのでしょう。
ちなみに
反対意見Bは「アンチテーゼ」。
そこから導き出された意見Cを「ジンテーゼ」と言います。
日常生活で上記の様な「アウフヘーベン」を起こせるようになるとどうなるでしょう?
常により良いものが生まれて、みんなハッピーになります。
しかし現実世界でそう新しい考え方が、そうポンポンと生まれる訳はありませんよね。
なぜでしょうか?
それは、相手の立場になって物事を考えないからです。
「自分の立場だけを強く主張する」
それではアウフヘーベンは起こらないのです。
それどころか、悲しい結果を導きます。
お互いを尊重できないことから起こる「怒りや憎しみ」
「疎外(いじめ)」「嫉妬」など負のエネルギーですね。
これが国家間で起きると、戦争・経済制裁という形となります。
国家内で起こると独裁です。
では、どうすれば相手の立場になれるのでしょうか。
その一つとして私がおススメしたいのは、「道ですれ違う人の気持ちを考える」ということです。
悲しそうな顔をしているサラリーマンがいたら
「上司に起こられたのかな?」
「取引先と商談失敗したのかな?」
「奥さんとケンカしてるのかな?」
という感じです。
そこからストーリーをつくっても良いと思います。
そして、もう一つのオススメは「ドラマ」や映画を見て
「なんでこいつこんなに怒ってんだ」とか、
「何でこんなことするのだろう」と
自分と価値観の違う登場人物を見つけた時、その登場人物の立場になって考えてみるという事です。
あえて主人公とは反対の立場の
「悪役」の立場の人の気持ちになってみるのも良いかもですね。
これは思考のトレーニングになります。
ですので是非、毎日実践してみてください。
日頃からこういったトレーニングをしておくと、日常生活で違う意見・価値観の人間と会った時に、
「ああ、この人はこっちの角度から物事を理解しているのか」
という事が自然と分かるようになります。
そのためにも「様々な人間」の「いろいろな考え方」を自分の中にストックしておいてください。
そうすると、もしあなたの意見を否定されても柔軟な対応ができます。
一つ上のステージから現状を見つめるイメージです。
「3人寄れば文殊の知恵」という言葉も「アウフヘーベン的な意味合い」があると思います。
「2人」では解決できないことも「3人目」が加わることで「2人」の意見を踏まえた「第3の解決案」がみつかるのではないでしょうか。
上記のようなトレーニングをしてみたけど、全然効果が出ない、すぐに口論になってしまうという方。
まず「じっくりと賛成も反対もせず、相手の意見を聞いてください」
「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」という孫氏の言葉通り「まずは相手を知ることです」
知って理解して「相手の立場になってください」。
一旦「自我」を捨てて相手自身そのものになることができれば「その利点や欠点が見えてきます」。
そうすればすべてが見えますし「論破」することもできます。
なぜかというと賛成意見も反対意見もすべてが見えている状況だからです。
これって最強ですよね。
そして次に大事なのが「そもそもの目的」は何だったのかを考えることです。
議論が白熱すると、感情的になり「自分の意見を通したい」という欲望が優先されそもそもの目的を忘れがちです。
これは経験則ですが「そもそもの目的」を考えるとアウフヘーベンが起こりやすいと思います。
例えば、、、
夫:山へ行きたい!
子供:遊園地に行きたい!
という意見がバラバラだった場合。
家族一人ひとりに一番大切な目的を聞いてみると「家族で一緒に楽しみたい」という事だったりします。
じゃあ「家で映画を見る」とか
「公園に遊びに行こう」という選択肢でもいいわけです。
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また逆にそれぞれの1番大切ものが
その次に大切なものが「家族で一緒に楽しみたい」だったら、それぞれ好きな場所に行けばよいのです。
そしてその後、夕食の時にそれぞれの撮ってきた写真や想い出話に花を咲かせても楽しいでしょう。
凝り固まった世界観は視野を狭くし、人生をつまらないものにし、負の感情を生まれやすくします。
人間関係、夫婦生活、会社での会議など、さまざまな場所で活用できる「弁証法」です。
ぜひ活用して人生をより素敵なものにしてください。
執筆者:レタス
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